「外集団を嫌いになる、内集団びいきが起こる」
これは、心理学を学んだ方なら学んだことがあると思う。
その理由はなぜか探していたが、本「進化心理学から考えるホモ・サピエンス」にのっていた。
現代の医療がなかった時代、人間の生死にはウイルスや細菌の防止が大切であった。ウイルスや細菌によって、多くの人が亡くなるという現象は、読者の記憶にも新しいのではないか。
人間の心と身体は、一万年前からほとんど変わっていない。そのため、家族とよく見知った人だけで暮らしていた時と、人間関係の把握能力が追いついていない。農民の血が強い人は、外向性が高いのでとの私の仮説もあるが。
まず、ウイルスや細菌の多い環境にとって、それらを媒介したのは外集団との接触であった。私たちが菌を媒介する動物を嫌うように、外集団を嫌いになることで、それらとの接触を避けるという人間の思考の癖(行動免疫システム)が出来上がったという記述であった。
このように、私たちが外集団を嫌いになり、内集団を好きになる、ひいきするという現象は、進化によって組み込まれた思考の産物である可能性がある。
それらによって、国や宗教が枝分かれしたとのことであった。
研究をしている学生の方には、ぜひ、参考にしてほしい。
