この日記では、4年間もホームシックに苦しみ卒業論文のテーマすら「ホームシック」にしてしまった僕の研究について書く。
今回は「ホームシックと愛着」について書く。
愛着は「子どもとその子どもを育てる人との絆」と定義される。
子どもが結んだ愛着は、成人してからの対人関係にも影響すると言われる。
今回はそんな愛着とホームシックの関係について書いていく。
目次
発達心理学から読み取れるホームシックと愛着の関係とは?

なぜ僕がホームシックと愛着が関係していると考えたのか。
そのきっかけは大学の発達心理学の授業だ。
大学では、「安定している愛着」「不安定の愛着」「無秩序な愛着」というように子どものもつ愛着にもいろいろあると学んだ。
その愛着についての説明で興味深いものがあった。
それは「安定した愛着の子どもは母親がいることで安心して探索できる」、
一方「安定しない愛着の子どもは探索のときに不安を示すこともある」という文だ。
探索は母親から離れておもちゃで遊んだりすることで、安定した愛着の子どもは母親から離れても「母親がいる」という安心感がある。
一方、そうでないと母親から離れると不安を示す子どももいる。
また、「探索」は家を離れることと似ている。
幼いころに母親から離れて遊ぶのも、大学にいくために家を離れることも同じ「探索」だと考えた。
そのため、ホームシックの症状として「不安」があることからも、「ホームシックで苦しみやすい人は安定していない愛着を持っている人」と予想した。
しかし、その予想は単なる僕の思いつきだから愛着とホームシックの関係について調べてみる。
愛着とホームシックの関係を調べた研究は海外にあった

論文を探していたら、ホームシックと愛着についての海外の論文を見つけた。
ホームシックと愛着について調べた日本の論文がなかったから、海外で研究されていたことは意外だ。
まず、ホームシックと愛着についての研究としてアメリカの研究があった。
その研究の中に「ホームシックと支配的な家族に関係がある」と書いていた。
支配的な家族に育てられた子どもは、安定した愛着を持つとはいいがたい。
家族が支配的とは、親が過度に厳しかったり、子どもの主体性が奪われるような家庭だろう。
そのような家庭で育てられれば、子どもは安定しない愛着を持つかもしれない。
一方、キャンプに参加した子どもを対象とした研究では「ホームシックと愛着は関係していない」とあった。
しかし、研究の中に「関係はみられなかったものの、愛着がホームシックに間接的に影響しているかもしれない」と書かれていた。
愛着はホームシックに「間接的に」関わっているかも?
「間接的」とは「ホームシックと愛着の間に目に見える繋がりはないけど、なにかが間にあって大きく見れば2つは繋がっているかも」ということだ。
分かりやすい例として、「風が吹けば桶屋が儲かる」があげられる。
これは「関係のないように見える2つが繋がっている」ということわざ(うる覚え)で、先の論文のホームシックと愛着の関係に似ている。
まず、風が吹くと桶屋が儲かる理由として、
- 風が吹いてほこりがたつ
- ほこりによって失明してしまう人が増える
- 失明した人は三味線を仕事にする
- 三味線の材料に猫が使われて猫が減る
- 猫が減ったことでネズミが増えて桶をかじる
という流れがあり、桶の売り上げと風が関係しているということだ。
これをホームシックと愛着にも当てはめる。
- 安定でない愛着をもつ
- 安定でない愛着をもつ人は、人に助けを求めづらい。
- また、人間関係も安定した人よりも消極的となる。
- 故郷から離れた場所で、ソーシャルサポート(友人・恋人・職場や学校からどのくらい支援をうけられるか)が減る
- ホームシックになる
このような流れを見て、先の研究は「ホームシックと愛着は間接的に関係している」という考えになったんだと思う。
ホームシックと愛着の関係が分かれば、どのようなメリットがある?

もし仮に愛着とホームシックの関係がはっきりすれば、ホームシックに苦しむ人の助けになるかもしれない。
それは「臨床心理学の力を借りる」ことだ。
安定しない愛着で苦しんでいる人はいるし「愛着障害」という診断名もあるくらいだ。
具体的なアプローチは勉強不足なのでお伝えできないけど、精神科医である岡田貴司さんの「愛着障害の克服」という本が参考になった。
また、ホームシックで悩んでいる人は学生相談やカウンセリングを通して「代理の安心できる存在」を作ることもホームシックの軽減に繋がるかもしれない。
今回は、「ホームシックと愛着の関係」について書いた。
この文章が、少しでもホームシックで苦しんでいる人の役に立てれば幸いだ。