「よし、受かるぞ」
S 先生に憧れて、僕は大学で3年間弱、心理学を学んできた。
そして、先生は公認心理師と臨床心理士の資格を持っていて、大学に入学する前から資格を取ることが前提だ。
大学院に入ることができれば、大学以上に濃密な心理専門家を育成する授業を受けられる。そのために、この関門を突破しなければならない。
しかし、不安は多分にある。心理学の筆記試験は自信があったけれど、どうしても英語が得意とは言えない。
「英語さえ、乗り切れば…」
このように、岩手の大学に車で向かいながら、「のどかなところだなぁ」と、自分がそこに入学する姿を想像する。
会場に入り、自分以外の受験生の姿を目で追いながらも、自分の番号が書いた席に座る。
「うわあ、すごい緊張する」
他の受験生が参考書を眺めていたり、逆に、何もしていないのを見ると、自分に実力がないのではないかと見劣りする。
その不安と緊張でいっぱいになりながら試験が始まった。
まず、心理学の筆記試験。
「この論述問題、難しいな」
第1問目の論述問題で早速つまずき、頭の中を探し回ってそれらしい答えを絞り出した。しかし、さらに大学の方針に沿った学習をすればよかったと反省する。
統計法の問題は、過去問を何回も解いたから自信はあった。そして、単語説明も使っている参考書に見た事があったから書けたけれど、200字とまではいかない。
だから、「様々な参考書も使えばよかった」と反省する。
このように、心理学の専門試験が終わって一安心した。昼休憩の時間になってから、弁当とコーヒーの缶を開けて、出た問題の復習をしながら静かに食べる。