経済を腐らせる!?
そんなタイトルに惹かれ、僕は大学の図書館でこの本を手にとりました。
読んでみるとただの田舎のパン屋ではない著者(渡邊いたるさん)の考えに圧倒されます。
将来、パン屋になりたい方や資本主義について学びたい学生におすすめしたい本です。
そんな「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」の感想を書いていきます。
目次
1. マルクスの視点でパン屋を見るという驚き!
読んでみると、この本は他の本と全く違うことが分かります。
他の本だとパン屋を開くまでの道のりを書いていることが多いです。
また、お店を軌道にのせるための方法であったり、「著者の経験」が書かれています。
しかし、「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」では、渡邊さんの経験とともにマルクスの「資本論」と経験によって得られた「学術的な」考えを読むことができます。
1-1. パン屋にも労働者と資本家があてはまる!
マルクスの資本論では、労働者と資本家という言葉が出てきます。
渡邊さんはこの2者をパン屋に当てはめています。
修行先のパン屋の労働が過酷だったこと。また、入社していた会社への違和感。
その経験を俯瞰して、その「違和感」や「過酷さ」は、「資本主義に組み込まれていること」が原因だと気づきます。
1-2. 経済を腐らせるためには?
この体験から渡邊さんは「資本主義から抜け出す」ことを決意します。
そのために「よりよい素材を使ってじっくり時間をかけて正当な価格で売る」、「借菌はしない」という挑戦をします。
まず、1つ目は資本主義と反対のことをしているようです。
大きな企業は、たくさんの素材を安く仕入れて(コストを抑えて)、効率よく加工し、安く大量に販売します。
しかし、渡邊さんは地元の良質な素材を仕入れて、「酒種パン」をじっくりと時間をかけて作ります。
僕は、渡邊さんの資本主義にあらがっていく勇敢さに惚れ惚れしました。
1-3. 「菌を借りない」とは!?
渡邊さんが「借菌主義」と呼んでいるものです。
この言葉を読んだとき初めて聞く言葉に惹かれました。
この本によると、借菌とは「純粋培養された菌を使ったパン作り」のこと。
例えば、スーパーに売っているイースト菌が有名です。
このイースト菌は、自然の中でよりパンを膨らましてくれる酵母を人間が選んで育てたものです。
しかし、純粋培養された菌だけを使うパン作りに渡邊さんは違和感をもちます。
1-4. 酒種パンおいしそう!
そこで、渡邊さんは自然にある菌でパンを作ろうと考えます。
そこで自然栽培されているお米の「麹菌」を使ったパンを作り始めるのです。
しかし、自然の菌を使ったパン作りは「菌を借りる」よりもはるかに大変で、はじめは試行錯誤の日々。
そしてついに酒種パンが完成し、そのパンの写真が本の半ほどに載っています!
本当によだれが出てしまうほど、写真を見ただけで自然の力でできたパンの香りがただよってきます。
岡山県の勝山「パン屋タルマーリー」。死ぬまでに絶対食べにいきたい!!!!
2. ハンガリーに行ったり、学園祭で「ゲリラライブ」をしたり破天荒!
パンを作り始めるまでの話、資本主義からパン屋を考察している話など、どれも面白いです。
また、渡邊さんの生き様に「かっこいい」と驚嘆してしまいます。
渡邊さんは渡邊さんの父親とともにハンガリーに行ったり、学園祭に乱入してゲリラライブをしたり破天荒に生きているように見えます。
そして、過去を振り返る場面が印象に残りました。
「みんなと違うことをしたい」は、実は「周りと違うことがないの裏返し」という文です。
確かに、僕も「差別化!」と他とちがうような動画を出しています。
しかし、「実は何もない自分に焦っているのかもしれない」と渡邊さんの言葉が胸にささりました。
「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」では、渡邊さんの人生にも触れ、このような人生の言葉・気づきを吸収することができます。
今回のブログを読んでこの本を読んでみたいという方はぜひ!▼
社会不安障害として苦悩してきた僕が書いている小説▼
お遊びメンターの動画▼