飛行機で楽しいと思う瞬間は、雲を突き抜ける瞬間だ。
窓に当たってちりじりになる水蒸気を見ると雲を突きぬけるスピードを感じる。
また、飛行機が雲の上を飛んでいるときの眺めは最高だ。
雲がうねり、まるで綿菓子のように一面に広がる。変幻自在に形を変える雲は生き物のようだ。

雲の上に行くと太陽が照り付け、容赦なく窓に降り注ぐ。
雲の下へ降りると街がうっすらと見えてくる。普段なら高い建物を見上げるような街並みも、飛行機から見ると小さく見える。
このように街を眺めていると、戦争で日本に原爆を落とした飛行機に乗った人の気持ちを想像してしまう。
美しい街並みに死の兵器を落とすのはどのような気持ちだったのだろう。
もしかして、街を壊す遊びみたいな感覚だったかもしれない。
また、原爆のキノコ雲を見てどのように感じたのだろうか。
黒々とした雲を見て、自分は世界の覇者であるかのように感じたのだろうか。
人類を滅ぼす第一歩を自分がしてしまったと、きのこ雲に飛び込みたいほどの罪悪感に囚われてしまったのだろうか。
どうやら最後が当てはまるかもしれない。原爆を落としたパイロットの一人は生涯にわたって罪悪感で苦しめられた。
日本に原爆が落とされたことは歴史に刻まれている。しかし、歴史はマクロな視点で語られる。飛行機に乗っていた個人の気持ちは、歴史の教科書には載っていない。
戦争は過去のものと去年の10月に思ったけど、先進国が戦争を始めてしまった。
核戦争で人間がいなくならない限り、戦争を始めた国は後世にわたって非難され続けるだろう。
しかし、原爆を落とした飛行機にのった人の気持ちが知りたいように、その国の兵士個人の気持ちが知りたい。
原爆を落とした飛行機のパイロットの一人が精神病院に入ったことからも、戦争によって癒えることのない心の傷を負ってしまう人がいる。心理学では「PTSD」と呼ばれるものだ。
国の駒として戦争に行き、勝手な計らいによって家族や故郷を奪われる。
戦争は恐ろしい。そして、将来公認心理師・臨床心理士を目指している身として、戦争によって心の傷がある人の支援をしたい。
そんな人生の目標や戦争への思いを、日本の美しい街並みを飛行機の窓から見て思った。
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