人と本との幸福な出会いを媒介する。
これは、NHKの番組である「理想的本箱」の冒頭でナレーターが読むセリフだ。
たしかに、良書による活字の幸せへの吸引力というのは、ただ近くにいるだけの周りの大人からの無用なアドバイスよりも、非常に価値がある。
このように、人と本との出会いを媒介するコンテンツがNHKにあり、本好きな僕にとってそのようなコンテンツを作っていくために分析する。
目次
1. 100分de名著 NHKの「圧倒的なコンテンツ制作力」
まず、僕はNHKという組織は好きではないが、NHKが作るコンテンツは大好きだ。
まず、月曜日に放送されている「100分de名著」という番組がある。
この番組は、ある名著を4回の放送に分けて、その本を説明する専門家と、出演者が話を交わすことによって、リアルな生の声と見識者の意見から、例え難しい本でもおもしろく学べる。学べるというか見ていて楽しい。
また、本の朗読もあり、見ている人が分かりやすいようにアニメ―ションで本のあらすじや概要を説明している。
その背景には、まず、どの本を紹介するかという番組のディレクターの選択があって、その本を固定の出演者とリズムよく読み解いてくれる見識者の選定、アニメーションの作成、朗読する声優やナレーターの選定など、莫大な時間と労力がかかった質の高い「書評」を、一般市民が見ることができる。
NHKプラスで、過去の膨大な放送を見ることができるから、時間のある大学生におすすめしたい。
2. 理想的本箱 全国の図書館・行政との「圧倒的なパイプ」
2つ目に紹介する番組は、「理想的本箱」だ。
理想的本箱のテーマは、ある一つのテーマに対して、その悩みに寄り添う本を紹介するという本だ。
例えば、ある放送では「父親が嫌いになったときに読む本」について、ブックディレクターと芸能人の出演者が、その本について意見を交わす。
また、本を分かりやすく説明するために「映像の帯」と言う名の、活字をドラマ化・映像化することで視聴者の創造力をかきたてる。
この番組から読み取れる、NHKの圧倒的な力だが、それは「全国の図書館や、行政と連携できるパイプ」である。
この番組のテーマは、全国の図書館にポスターや広報をしてもらい、その広報をみた人が悩んでいることを番組に送り、その中から統計的に、また世間の悩みと一致するテーマを決定するという流れだ。
これを番組の冒頭で出演者がさらっと説明するのだが、これは個人ではすることができない恐ろしい力なのである。
まず、全国の図書館というのは公的な施設で、私的な図書館も入っているかもしれないが、全国の図書館と提携できるパイプを持つことができる人間など、政治的トップであろうと難しいだろう。
それを30分の質の高い番組で成してしまうNHKは、社会からの信用と、行政や民間の施設と連携できる力があり、それは書評のコンテンツを作る個人にとっては不可能だ。
3. 自分にできる書評を考える 世間のニーズと持つべき軸
このように、テレビと似たようなコンテンツの質を追求していくと、NHKという化け物がいるのであり、個人で活動するならばこのような競合を避けなければならない。
まず、書評の軸として、「人と本との幸福な出会いを媒介する」というものは、どのコンテンツにも当てはまるだろう。
その軸がなぜ大切かというと、忙しい人にとっては、どのような本を読みたいのか自分で分かってはいても、本を選ぶために認知資源を使いきれないというニーズがある。
また、活字に対して苦手な意識をもっている人に対して、活字が好きな人が人と本とのクッション役として、本の概要や注目してほしい部分を優しいイメージで教えるという役割も持つ。
さらに、一部の人にとっては、本を読んでいなくても、自分がその本を読むことができたという、「虚栄心」を満たすことにも繋がるのかもしれない(NHKの番組を好む僕もこの感情がないと言えば噓になる)。
まず、そのような軸と、世間で求められていることを考えて、自分にはどのような書評ができるのだろうか。 そこで考えたのが、ある程度、自己ブランディングをした発信者が、歌いながら書評をするというものである。
4. 歌いながら書評をする
まず、発信における自己ブランディングというのは、実際に会ったことのない他者に、自分の存在を伝えて肯定的な感情を持ってもらうことだ。
本音を言えば、自分の経歴や生い立ち、悩みを言えば、それに共感する人が出てくる。
世間の求められていることと自分の出したいコンテンツを近づけていけば、自己ブランディングに繋がる。
さらに、そこで書評をすれば、自己ブランディングをした発信者が本について紹介することになり、全く知らない他人におすすめされた本よりは興味を持つ。
しかし、ただの書評をしていたのでは、NHKという化け物に食い潰されてしまうのだから、独自性のある書評をしたい。
そこで、歌いながら動画におけるブログ形式で書評をすることで、軽快に出会いを媒介する役割ができるのではないか考えた。
5. 研究だから失敗してもいい
このように、動画を投稿し始めた。
しかし、コンテンツというのは競合が多いし、その完成度も未熟だ。
そのため、目に見える数というのは減っていくだろうし、まず、「人と本との出会いを求めている人」というのが、Youtubeという風土を好むかというとそんなことはないのだから、そこにいる少数のほんとの出会いを求めている人に自分のコンテンツが伝わればいいと考えている。
そのためにも、NHKという化け物がいるテレビ業界と、Youtubeという個人的なプラットフォームの違いも分析していく必要がある。